二十一世紀の平家物語(其の四・「鹿谷」から「一行阿闍梨之沙汰」まで)

「鹿谷」から後白河法皇の側近たちによる平家討伐の企てが始まります。側近の一人である西光法師の子・師高、師経が加賀の国の山寺と対立する事件も絡み、平家、後白河法皇とその側近、比叡山延暦寺の三勢力による三つ巴の騒動へ発展していきます。

 

鹿谷

後白河法皇藤原成親(なりちか)を始めとした平家を快く思わない人々が、京都の東山の麓にある俊寛の山荘で密会する。

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俊寛之沙汰 鵜川軍

後白河法皇の側近の一人・西光(さいこう)法師は、平治の乱で亡くなった信西入道の家来であった。この西光法師の子・加賀守師高(もろたか)、目代師経(もろつね)が、着任先の加賀の国で鵜川という山寺と小競り合いを起こす。山寺側は、比叡山延暦寺にはたらきかけをする。

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願立

山寺側の訴えにより比叡山延暦寺が師高の流罪と師経の禁獄を主張し始める。しかし朝廷側はなかなか裁断を下さない。この段では、比叡山の訴訟は古くから朝廷の権力者にとって頭を悩ませるものであったことが語られる。

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御輿振

比叡山の衆徒たちは、師高の流罪と師経の禁獄を求めて神輿を担いで御所に乗り込もうとする。平家や源氏の武士たちはその一行を食い止めるため門の警護に当たった。衆徒たちは手薄な北の門から押し入ろうとするも、そこには源頼政が陣取っていた。文武に名高い頼政の説得により、衆徒たちは北の門からの侵入を諦め、代わりに平重盛が守る待賢門を狙う。ところが重盛の武士たちから矢を散々に射られて衆徒たちは神輿を捨てて這々の体で比叡山へ逃げ帰る。

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内裏炎上

ついに師高の流罪と師経の禁獄が決定される。神輿に矢を放った重盛の武士たちも入獄することとなる。それから数日後、京都は大火事となり多数の死者が出た。

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座主流

今度は西光法師父子の讒言によって比叡山の座主・明雲が伊豆の国へ流されることになる。比叡山の衆徒たちは怒り猛る。

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一行阿闍梨之沙汰

比叡山の衆徒たちは山を下り、伊豆へ護送される明雲を奪還し、延暦寺へ連れ戻す。

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