二十一世紀の平家物語(其の八・「文覚荒行」から「五節之沙汰」まで)
平家物語第五巻では、平治の乱以後伊豆に流されていた源頼朝が登場し、その決起が描かれます。
文覚荒行
源頼朝が挙兵したのは、高雄の文覚上人に勧められたからであった。文覚は元は遠藤武者盛遠という上西門院(鳥羽天皇第二皇女・統子)に使える衆の一人であったが、十九の時に出家して荒行、苦行を繰り返し霊験あらたかな僧になったという。
福原院宣
文覚は伊豆の流人・頼朝と会談する。文覚は頼朝の父・源義朝の髑髏なるものを頼朝に見せ、決起を促す。頼朝は気が乗らなかったが、文覚は秘密裏に後白河上皇からの平家追討の院宣を承り、彼に手渡す。
富士川
福原から東国へ源氏追討軍が編成され、平清盛の孫・維盛が大将軍に、清盛の弟・忠度が副将軍となる。源平両軍は富士川を挟み対峙し、明日に矢合となった夜、平家軍は水鳥が飛び立つ音を奇襲と勘違いし、総崩れとなる。
五節之沙汰
福原へ戻った維盛に対して清盛は激怒し、彼を島流し、侍大将の上総守忠清を死罪にせよと主張する。平家の人々は評議し、これを止めるのであった。
「都遷」から「咸陽宮」まで、「勧進帳」、「文覚被流」、「都帰」、「奈良炎上」は未収録です。