二十一世紀の平家物語(其の一・第一巻の完成に寄せて)

『【アマチュア朗読】平家物語』シリーズの第一部が完成しました。

 

このシリーズのテーマは「生命の力強さとたくましさ」です。

 

一般に平家物語といえば「滅びの文学」や「諸行無常」などといったキーワードと結びつけられます。確かに仏教の思想が色濃く反映されていて、それこれは因果応報でこうなった〜という視点で物語は進んでいきますが、私は様々な登場人物の性格や生き様が描かれた群像劇としての部分を重視したいのです。

 

自害を思いとどまり尼として生きる祇王、仏門に仕える身の割にはやたらと血気盛んな僧侶たち、まるでダメな大納言・藤原成親、そして悪漢でありながら不世出の英雄である平清盛。まだまだ登場人物は数多く、ここで全員を語り尽くすことはできませんが、これほど多種多様な人物が登場する古典が他にあるでしょうか。(いや、あるのかもしれませんが。)

 

決して「滅び」などではなく「生きている人々」を描く朗読を作りたいと思います。

 

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